younger brother - train 和訳と考察

久々の更新ですが、私の人生で聴いてきた曲の中での圧倒的最高傑作younger brotherのtrainの和訳と考察をしたいと思います。

 

正直歌詞の方が公式で出てない+apple musicの歌詞が明らかに間違っている(意味が通ってない)為、様々なところから探してきた歌詞の情報を審議していい感じに組み合わせたものを和訳しています。ですので正確性には欠けると思いますが、何か「ここはこう聞こえる!」とか「ここの意味はこういうことじゃない?」などのご意見がありましたら是非是非コメントをお願いします!

 

では早速younger brother 3rdアルバムvaccine からtrainです。

 

The worlds flashing past

世界が輝きながら過ぎていく

So many others moving so fast

他の全てがあまりにも早く動いていく

I feel my hearts slow

鼓動が遅く感じる

*As we wander i don’t bow down

*私達が不思議に思うように私は頭を下げない

Nothing left undecided

未定のことなんて何もない

Upon on steel on steel

鋼の上から鋼の上へ

Through these cuts in the earth

たくさんの地球の切れ目を通り抜けて

No question who was here first

誰が最初にここにいたかなんて疑問の余地もない

Many dreams, many lifetimes

沢山の夢、沢山の人生

Any of which could be me

どちらも私かもしれない

Except that I’m the one unable to move upon this machine

私がこの機械の中で動けないでいることを除いては

Upon this machine

この機械の中で

 


On a caravan in motion

躍動の中でキャラバンに乗っている

Alone in crowds just like me

私のように集団の中で独りだ

I fell between the moments

私は時間の間を落ちていった

I fell between ideas

概念の間を落ちていった

As when it run around the windows

それが窓の周りを走り回る時のように

Nothing here is still

ここに変わらないものは何もない

All the patterns collided

全ての模様は

through these villages and hills

村や丘を通り抜けて衝突した

So many dreams, so many lifetimes

あまりに沢山の夢、あまりに沢山の人生

Any of which could be me

どれも自分なのかもしれない

Except that I’m the one unable to move upon this machine

私がこの機械の中で動けないでいることを除いては

 


There is no one else

No one else

No one else

No one else

他に誰もいない

誰もいない

誰もいない

誰もいない

There is no one else

No one else

No one else

No one else

他に誰もいない

誰もいない

誰もいない

誰もいない

There is no one else

No one else

No one else

No one can help me now

Help me now

Stuck in this moving thing

Nothing is what it seems

No getting off this machine

他に誰もいない

誰もいない

誰もいない

誰もいない助けてくれる人なんて

助けてくれ

この動くものの中から出られないんだ

見かけ通りのものなんて何もない

この機械から降りられなんてしない

 

*…ごめんなさい、わかんなかったです。調べても結構ここは元の歌詞が人によってまちまちで、例えばas we wander in our boredom(私達が退屈の中で歩き回るように)とかすごく歌詞の流れ的にありそうなんですが、どう聴いてもbow downでboredomに聞こえない…。何度も聞いてみてやっぱりas we wonder(wander?) I don't bow downに聞こえたので一応このまま置きました…アイデアがある方は是非是非聞かせてください。

 

〜考察〜

タイトルがtrainとあるように、また曲中で頻繁に電車の音が使われていることからわかるように、電車についての曲です。

でもこれ、ただの電車じゃないですよね。曲の最後降りれなくなってるし。

人が決して降りられない電車、つまり人生について電車になぞらえて語られています。

 

私は電車で長距離移動することがあるのですが、この曲調とこの歌詞見事にあの孤独感と無力感を表していると思います。非常に鬱屈した世界観ですが、なんとも美しく切ない。

Younger brother "vaccine"の魅力としてすごく音が光ってるんですよね。同アルバムのshineで遺憾無く発揮されたように、このアルバムのいくつかの曲の魅力はこの切ない輝きだと思っています。

あとでわかったんですが、この切ない感情を揺さぶる曲調はyounger brotherのうちの1人、Benji Vaughanの特徴なんですね。

Younger brotherの2人はサイケデリックトランス系のアーティストですが、Benjiのソロ曲は非常に切なくて寂しく、且つ音が輝いているような綺麗な世界観を作ります。そこに音作りの天才Simon Posfordが加わり、更に歌いたがらない2人に代わってRuu Campbellが切ない声で歌い上げます。最強すぎる…!!!

(ちなみに余談ですが1st album「A flock of beeps」の時は2人とも歌いたくなさすぎて、テレビゲームで歌う人を決めたらしいですが、実はそのゲームはSimon持ってきたもので、Simonは持ってる中で1番得意なゲームを持ってきて勝負をふっかけたそうです。結果Benjiは負け、歌ったそうですが正直どの曲のことを言っているかわからなかったです…そもそもあのアルバムに歌なんてあったっけ…??)

 

…脱線してしまいましたがこの曲、人生を電車という自由には制御できない、決められた方向に勝手に向かっていくものになぞらえて考えるとすっきり理解することができます。

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The worlds flashing past

世界が輝きながら過ぎていく

So many others moving so fast

他の全てがあまりにも早く動いていく

I feel my hearts slow

鼓動が遅く感じる

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夜、電車に乗って窓から外を眺めると世界がすごい速さで過ぎ去っていく。

人生も同じように、ある程度歳を重ねると日々がすごい速度で走り去り、周りの人間関係も仲良くなったと思えば離れて、新しい人と知り合ったと思えば二度と会わなくなる。

過去の知人は輝かしく社会で活躍していて、ふと自分を俯瞰して考えるとすごく隔絶されていて、今自分は何をしてるんだろう。とぼーっと下を走る別の世界(車窓の外)を眺めているのが浮かびます。

自分の鼓動が遅く感じるのは、外の世界が過ぎ去るのが早過ぎて、そして現実世界では他人と自分を比べた時に自分の活動が遅くて世界に置いて行かれているような錯覚に陥るということでしょうか。

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*As we wander i don’t bow down

*私達が不思議に思うように私が頭を下げない

Nothing left undecided

未定のことなんて何もない

Upon on steel on steel

鋼の上から鋼の上へ

Through these cuts in the earth

たくさんの地球の切れ目を通り抜けて

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最初の行は本当によくわからないので置いておくとして、次の行は線路のことですね。

地球の切れ目…私はいつも街を走る電車に乗ってわかるわかるって聞いているのですが、地球の切れ目って谷とか川ですよね。意外と自然豊かな場所を想定しているんでしょうか。それともビルの狭間でしょうか。

人生で未定なことは何もないというのはどういうことでしょうか。

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No question who was here first

誰が最初にここにいたかなんて疑問の余地もない

Many dreams, many lifetimes

沢山の夢、沢山の人生

Any of which could be me

どちらも私かもしれない

Except that I’m the one unable to move upon this machine

私がこの機械の中で動けないでいることを除いては

Upon this machine

この機械の中で

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「誰が先にここへ来たかなんて疑問の余地もない。」これが何を表しているのか最初全然わからなくて、アメリカ大陸とかの領土問題?とか思ってたんですが、知人に聞いてみるとこの部分の感覚がすごくわかるそうです。今自分が歩いている道も誰かが必ず一度踏みしめた場所…そう言われると前の電車の線路の話にも繋がります。人生は自由だけど、どれだけ自由に振る舞っても最終的には何か枠がある。時代とか、環境とか、結局この時間軸で生きている以上、必ず先人の跡を歩いているわけで、そこには既に道があるんです。younger brotherの2人はミュージシャンで、それもポップスとか大衆的なジャンルではないので、制限のない中で前人未到なことをやっているように素人の私は感じるのですが、それでも過去の流れや時代の制約などを感じることがあるんですかね。ミュージシャンだからこそ感じるって話もありますが。

つまり、たくさんの夢(なにかをやりたいと自由には願うこと)たくさんの人生(ある程度の自由でやってきたことや成し遂げたこと)全てが自分なのかもしれないけど、ただ、その環境的な制約は自分で決めたことじゃないしこの制約から逃れたいんだ!という曲ですね。

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On a caravan in motion

躍動の中でキャラバンに乗っている

Alone in crowds just like me

私のように集団の中で独りだ

I fell between the moments

私は時間の間を落ちていった

I fell between ideas

概念の間を落ちていった

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キャラバンっててっきり昔の行商人や馬車などを想像していたんですが、キャンピングカーみたいなやつのこともキャラバンっていうんですね。1番の時と同じように窓の外の車道を見ているんでしょう。過ぎ去る車の中で一台のキャラバンも自分と同じように隔絶されて社会から置いていかれているようにみえる。

それでも更に自分は世界から置いていかれるように、時間からも概念からもすり抜け落ちていく。

時間や概念からすり抜けるのは電車に乗っていれば、外の世界と時間の流れが違いますし、早い電車の中から外を眺めればビルもマンションも形を留めずに光という概念になってくる。

ここまで書いていて思ったのですが、そんな時間と概念の世界の中を走り抜ける電車の景色を横に倒してみると電車の進行方向に落下して見えますね。いくつもの概念となったビル達や自分とは違うスピードで進む全ての時間をすり抜けて電車の進行方向に落ちていくということでしょうか。落ちていくということは、この電車の行き着く先ってろくでもないんでしょうね。

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As when it run around the windows

それが窓の周りを走り回る時のように

Nothing here is still

ここに変わらないものは何もない

All the patterns collided

全ての模様は

through these villages and hills

村や丘を通り抜けて衝突した

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やっぱり全てが過ぎ去ってしまう。しかも電車に乗ってる自分だけを置いて世界は目まぐるしく変わってしまう。電車に乗っていると外の世界のさまざまな物は、もはやただの模様になって電車近くのビル灯りと遠くのマンションの灯りが衝突したりしますよね。

というか村や丘ってやっぱりyounger brother的には結構田舎を想定してるんだな…

村や丘や谷を通る電車にはまだ乗ったことないので、いつかこれを聴きながら乗ってみたいなと思います。日本にあるかな…特に谷。

 

ここで2回目のサビですが、1度目より盛り上がって、更にmany にsoがついて強調されてるのがたまらなく良いですよねー…!!

この音楽の盛り上がりで完全に昂ってる状態なんですが、歌詞もここに向けてどんどん外の景色の物質が概念化していて、実態がなくなっているので余計に深層心理の世界に近づいて、夢達や人生達にアクセスして物凄い情報量の走馬灯を体験してるようで大好きなんです、ここのso。

1度目はただ夢や人生を振り返っているだけなんですが、2度目は実感して追体験して昂ってる感じがします。

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There is no one else

No one else

他に誰もいない

誰もいない

誰もいない助けてくれる人なんて

助けてくれ

この動くものの中から出られないんだ

見かけ通りのものなんて何もない

この機械から降りられなんてしない

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この畳みかけ方よ…

誰もいないっていうのをただ何度も繰り返してるだけと思いきや、いつのまにかno one else help me nowという次の文の冒頭になっている。そしてhelp me nowを繰り返してるだけと思いきや、no one elseを切ることで今度は助けを懇願している。

そして前の歌詞と同じ3音節ずつ区切って出すリズム感。「help me now 」「stuck in this」「moving thing」

次は「nothing is」「what It seems」最後は「no getting of this machine」のはみ出し7音節で壮大なラスト。音もすごい!!

そしてこの心の絶叫(なんか言葉にするとチープですね)のあとの後奏、実はずっと後ろで電車のようなゴットンゴットンというリズムを刻んでいたのが、他の音がなくなったことで余計に際立って感じます。ここから出してくれーーー!!!ってこれだけ畳み掛けた後の平然としたこの電車のリズム。出られずにそのままこの人を乗せて平然とどこかへ連れ去る光景が浮かびます。

 

たまの「電車かもしれない」も同じようにリズムがずっちゃちゃ、ずっちゃちゃと電車っぽい感じなんですが、あちらが夕暮れの路面電車っぽい白昼夢チックなのに対してこっちはなかなかどっしりしたリアル電車です。ほんとに出られなそう。どっちも好きなんですが、やっぱ電車系は良いですね。

 

そして曲の終わり、最後なぜか女の人の謎のあの、声?何なのかよくわかんないんですが、めちゃくちゃ好きです。初めて聞いた時、こんなに細かいところまで好みなのー!?ってびっくりしました。

Radioheadもやりますよね、あのぶつ切りにした声。Radioheadのアレは音楽上でやるバラバラ殺人というか、そんな攻撃性と狂気を感じてすごく好きだったのですが、younger brotherの方はやっぱりなんかすごく、幻覚っぽいというか幻聴っぽいというか。先入観でしょうか?

Radioheadのは何かを伝えようとしている人の声をぶつ切りにした感じに対して、こっちはちょっと幻聴だからあんまり聞こえない…って感じ。この曲の他の音と違って何をイメージして入れた音?っていうのがあまりわからないのですが、Radioheadの影響だったりして!なぜなら私がアレ好きだからミュージシャンならやりたい。という自己中な解釈をしておきます。(Benjiレディヘ好きだし。うん)

 

ちなみに最後の歌詞の「見かけ通りのものなんて何もない」も、この文脈でどういうことを指すのかわからないというか、具体的に実感できなかったのですが、ここでは例えばどんなことを指すんでしょうか。なにかアイデアが浮かんだらまた追記しますね。

 

それではこんなに長いこと、最後まで読んでくださり本当にありがとうございました!